内痔核の日帰り治療について(Dr.山本のやさしいカルテ38) プリント メール

内痔核の日帰り治療について

 

お答え/山本醫院 山本裕先生

 
 前回に続いて、内痔(じ)核の日帰り注射治療について聞きました。

痔の日帰り注射治療は、どのように行うのですか。

 まず、肛門周囲の3カ所に、ごく細い針で局所麻酔をし、肛門周囲の筋肉を緩め、注射しやすくします。次に、一つの痔核に対して硫酸アルミニウムカリウム(ALTA)を有効成分とするジオン注液を、図のように4カ所に分割して投与します。これは痔核に薬液を十分に浸透させるためで、〝四段階注射法〟といい、最も基本的で大切な手技です。複数の痔核がある場合は、それぞれに投与します。 
 約10分で注射治療は済み、投与後1時間ぐらい安静にして、出血や痛み、排尿障害などがないことを確認したら、帰宅していただきます。

どうして痔が注射で治るのですか。

 硫酸アルミニウムカリウムは、収瞼(れん)作用、止血作用および起炎作用があり、投与により血流が遮断され、止血および、痔核の縮小が起きます。さらに炎症(無菌性)を介した線維化が持続的に起こり、粘膜層・粘膜下層への癒着・固定化が生じます。
 したがって、ジオン注は、内痔核に対して切らずに病変組織を硬化退縮させ、痔核の脱出と排便時の出血を消失させるものと考えられています。
 このジオン注投与による粘膜下層の固定効果は、直腸粘膜脱や直腸脱症例においても強く認められるため、非常に有効な治療法であると考えられています。

 

  

                                                                                                                                                                                                        

 

 

 

 


山本裕(ゆたか)さん

■山本裕(ゆたか)さん (医学博士)

山本醫院

TEL:084(943)2777(広島県福山市引野町北2-8-28)
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提供:福山リビング新聞社
(「リビングふくやま」2008年8月9日号掲載)