| 慢性痛について |
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今回は慢性痛について説明します。
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図1のように身体に加わった一次・二次刺激は神経〔1〕〔2〕を経由して脳に伝わり、有害と判断されると痛みを生じます(2009年11月28日号)。これが急性痛ですが、有害な刺激が治まると痛みも消失します。身体の一部にとげが刺さった場合を想定すると、生じる痛みが急性痛で痛む部位が患部となります。痛みで患部が特定され、同時に起こる逃避行動で傷害の進行が防げて治癒も早まります。従って、急性痛は一種の警告として身体にとって有益な役割を果たすことになります。
しかし、急性痛も予想される時間を超えて持続する場合は慢性痛となります。慢性の腰痛や関節リウマチなどがその例です。このように急性痛が持続する場合や急性痛の種類と程度によっては、神経〔1〕〔2〕が過敏になり普段では何ともない刺激で痛みが発生します(図2A)。例えば、帯状疱疹(ほうしん)後神経痛では患部に着衣が触れただけで激しい痛みを生じるものも少なくありません。
さらに強い炎症や外傷などで神経〔1〕〔2〕が損傷を受け、あるいは脳卒中で脳が損傷された場合は損傷部位から発生する刺激で特有の慢性痛を生じます(図2B)。この場合は神経〔1〕〔2〕に加わる刺激の有無とは無関係な痛みが発生するのが特徴です。
ところで慢性痛の多くは急性痛が持続したものですが、神経が過敏になったり損傷を受けて起こる慢性痛は神経の病気で痛みを生じるため、神経障害性疼痛(とうつう)と呼びます(図2)。いずれにせよ、慢性痛は不必要で不快な感覚のため食欲低下や睡眠障害などを招きやすく、うつ状態を合併して最悪の場合は人格の荒廃を招きかねません。
2005年の調査では、ヨーロッパ全体で成人の約19%、高齢者の約33%が慢性痛に悩まされていることが報告されました。これは、慢性痛による労働力の低下と医療費の増大で国家的な経済損失を招くことを意味します。このような背景から世界的規模で慢性痛の研究が行われ、各種治療法が検討されました。その結果、神経ブロック療法は多くの慢性痛で有効と判断されましたが、残念ながら神経損傷が主体となる慢性痛の前では無力であることが判明しました。そこで、現在では神経障害性疼痛の治療指針として薬物療法を含めた包括的な治療法が推奨されています。
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記事の問い合わせは、
TEL:084(923)3724 福山光南クリニック(広島県福山市光南町3-7-8)へ。
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橋本秀則先生
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■橋本秀則先生 プロフィル
昭和54年岡山大学医学部を卒業。麻酔科に入局後、岡山大学医学部付属病院で助手・講師を務め、平成5年に「福山光南クリニック」の院長となり、ペインクリニックを担当しています。
http://www.painclinic.jp/
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提供:福山リビング新聞社
(「リビングふくやま」2009年12月26日号掲載)
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