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津谷内科呼吸器科クリニック院長
総合内科専門医
中村賢二さん
(広島市医師会)
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「疲れやすい」「家事をする気が起きない」など、なんとなく体の調子が悪いということはありませんか。その影には、鉄不足が関係しているかも。「女性と健康」シリーズ第4弾は、特に女性に多い鉄不足について、津谷内科呼吸器科クリニック院長の中村賢二さんに話を聞きました。
(文/林美絵、イラスト/杉山なづき) |
A カルシウムと並んで不足しがちな栄養素の1つ「鉄」。成人の体内にある鉄はわずか3~4gですが、体にとって重要な役割を果たしています。
体の中にある鉄の約70%は「機能鉄」と呼ばれ、血液中の赤血球のヘモグロビンとして酸素を体中に行きわたらせる役割をしています。残りの約30%は、「貯蔵鉄」として肝臓やひ臓、骨髄などに蓄えられています。
体の中の鉄が不足すると、最初に貯蔵鉄から不足分を補います。この貯蔵鉄が少なくなった状態を、「かくれ鉄不足」(潜在性鉄欠乏)と言います。さらに鉄不足が続き、貯蔵鉄から鉄を補充できなくなると、機能鉄が不足し始めます。そうすると体に酸素を送ることができなくなり、「鉄欠乏性貧血」になります。
つまり、鉄欠乏性貧血は鉄不足がかなり進んだ段階で、実はそのずっと前から、鉄は少しずつ減少しているのです。
かくれ鉄不足はなかなか分かりにくいのですが、「疲れやすい」「家事をする気がしない」など、上記のチェックリストに挙げたような症状が現われる人も。周りから一見怠けて見られがちな状態も、鉄不足が原因かもしれませんよ。
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A 成人女性の約50%がかくれ鉄不足といわれています。女性は男性と比べ赤血球が少ない上に、月経で生理的出血が多く、鉄が不足しやすくなります。
また、成長する上で鉄が必要な思春期や、赤ちゃんに栄養を取られる妊娠・出産・授乳期にも不足しがちになります。
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A 鉄欠乏性貧血になります。顔色や皮膚が青白くなり、めまいや立ちくらみ、動悸(どうき)、息切れ、頭痛など、酸欠状態が現れます。
さらに進行すると、心臓に負担がかかり、心肥大、心雑音、むくみ、胸痛などの症状を起こすことも。また、つめがそり返ったり、中心がくぼんだスプーン状になることもあります。鉄欠乏性貧血と診断されれば、鉄剤を服用し、血液中の鉄分濃度を上げていかなければいけません。鉄剤は、軽い腹痛や食欲低下、便秘など副作用を生じることもあります。そうなる前に、かくれ鉄不足を改善したいものです。
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A 成人女性が1日に必要とする鉄の量は12㎎といわれています。鉄不足にならないためには、バランスの取れた食生活が何よりも大切です。外食ばかりや朝食抜きの不規則な食事、偏った食事、無理なダイエットなどはもってのほかです。女性は、鉄不足になりやすいことを日常生活の中で念頭におき、食事で鉄を積極的に取るように心掛けてください。
また、鉄は体内に吸収されにくいという特徴があり、一緒に取った栄養素により、その吸収率が異なるという性質を持っています。ですから、造血を促進するビタミンB12や葉酸、鉄の吸収率を高めるビタミンCなどをうまく組み合わせて取るといいでしょう。
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A 頼りすぎるのは良くありませんが、外食の多い人や、忙しくて食生活が不規則な人は、ライフスタイルに合わせてうまく取り入れるといいでしょう。最近は鉄を添加した飲料などもありますよね。
また日常生活に気を付けるのはもちろん、なんとなく調子が悪いと感じることがあれば、一度内科で血液検査を受けてみましょう。症状がない人も、早期に発見するために、年1回は検診を受けることをお勧めします。
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提供:広島リビング新聞社
(「リビングひろしま」2008年7月12日号掲載)
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