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生命保険金は
遺産分割の対象となりますか


相談者/48歳(女性)
【Vol11】


弁護士 山下江さん

 
Q 父が死亡し、受取人である母に、2000万円の生命保険金が支払われました。遺産分割協議で、これを父の遺産として計算して良いのでしょうか。
 

A 生命保険金は、受取人が指定されている場合、その受取人が固有の権利として保険金請求権を行使し、取得できるものです。そのため、遺産の範囲には入りません。従って、受取人が相続人以外の第三者の場合は、遺産分割にあたって、第三者に支払われた生命保険金を考慮することは困難です。
 しかし、本件のように受取人が相続人の一人である場合は少し事情が異なります。遺産分割協議で、被相続人から特別な利益を受けた人(特別受益者)は、その特別な利益を〝みなし相続財産〟として計算することになります。よって、生命保険金についても、そのような考え方が有力といえるでしょう(裁判所の判断は肯定と否定に分かれています)。
 従って、相続人の間で、生命保険金をみなし相続財産として持ち戻し、計算することを合意して、遺産分割協議をするのが公平ではないかと思います。
 

Q 生命保険金を受け取った場合、相続税はどうなるのでしょうか。
 


遺産相続で気になることがあれば専門家に相談して、問題を解決しましょう
A 受け取った生命保険金は、民法上は遺産には当たりません。しかし、課税の公平を保持するため、相続法により、保険金のうち被相続人が負担した振り込み保険料に対応する部分(父が全額保険料を支払っていた場合は100%)については、相続財産とみなされ、相続税の対象となるので注意してください。なお、相続人が取得した保険金は、相続人1人あたり500万円まで(相続人が4人いれば2000万円まで)が、非課税となります。
 また、これらの課税控除後の保険金を含めた相続財産全体に対しては、5000万円の基礎控除があります。さらに、相続人1人に付き、1000万円の控除があるので、参考にしてください。
 

広島弁護士会所属。広島市中区 山下江(やましたこう)法律事務所

提供:広島リビング新聞社
(「リビングひろしま」2009年5月9日号掲載)

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