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交通事故被害を
加害者の勤務先に請求できますか


相談者/55歳(女性)
【Vol20】


弁護士 山下江さん

 

Q 先日、信号が「青」を示しているときに横断歩道を渡っていたところ、交通事故に遭って全治3カ月の重傷を負いました。
 加害者はマイカーによる出勤途中ということでしたが、自賠責保険分以上は一切払わず、資産もないようなのです。加害者に支払い能力がないようなので、加害者の勤務している会社に損害賠償請求をしたいと思っているのですが、可能でしょうか。

  

A 加害者の勤務する会社が、マイカーの業務上の使用を認めている(黙認している場合も含む)かどうかによると思います。
 会社がマイカーの業務上の使用を認めているような場合は、マイカーでの通勤はその業務のためともいえます。このようなケースでは、会社に、自動車の支配やその運行による利益(運行支配・運行利益)があります。そのため、原則として加害者の勤務する会社も責任(運行共用者責任)を負うことになると思います。
  

Q 会社がマイカー通勤は認めているが、業務では使用していない場合はどうなるのでしょうか。
  

万が一事故に遭い、賠償や保障で悩んだ場合は専門家に相談してみては
A その場合は、会社への損害賠償請求は原則として無理でしょう。業務上の使用がなされていない以上、会社に運行支配、運行利益がないからです。
 ただし、先ほど伝えたとおり、会社がマイカーの業務上の使用を建前としては禁止していても(例えば内規で)、実際には便宜的に使用することを黙認しているときがあります。そのような場合には、加害者の勤務する会社へも責任が生じてくる可能性があります。
 そのため、会社に対する損害賠償請求を考えているなら、まずは会社がマイカーを業務上使っているかどうかの実態を調査することが必要でしょう。
 今後も、交通事故などの損害賠償について迷った場合は、被害者・加害者にかかわらず専門家に相談することをお勧めします。

広島弁護士会所属。広島市中区 山下江(やましたこう)法律事務所

提供:広島リビング新聞社
(「リビングひろしま」2010年1月23日号掲載)

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