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出産経験の有・無でかかりやすい病気が違うの!? プリント メール

どうして?出産経験のかかりやすい病気が違う!?
女性の体は、出産の経験の有無で、かかりやすい病気が異なるのをご存じでしたか。その症状や原因などについて、岡山大学病院の平松祐司先生に伺いました。この機会に、あなたも自分の体と向き合いませんか。

Q.出産を経験していない人は、どのような病気にかかりやすい?

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A. 出産未経験の女性がかかりやすい病気として、「子宮内膜症」 「子宮筋腫」「子宮体がん」「乳がん」「卵巣がん」が挙げられます。

 これらの病気に大きくかかわっているのが「エストロゲン」。排卵時に分泌される大切な女性ホルモンの一つですが、このエストロゲンの分泌過多によって腫瘍(しゅよう)の発育が促されるといいます。


 昔は、生涯に3~5人の子供を産む女性が少なくありませんでした。近年は、晩婚、高齢出産、不妊などのさまざまな事情で少子化が進んでいます。そこに、初経の低年齢化・閉経の高年齢化が加わって、現代女性が生涯に経験する月経の回数は多くなり、病気にかかる率も高くなっているのです。


 子宮内膜症は、月経のある女性の10人に1人の割合で発症していると考えられ、全国の患者数は200万人ともいわれます。ホルモンの分泌が盛んな20~40代に多く、出産未経験の若い世代で増加していて、不妊の原因にもなります。


 子宮筋腫は子宮にできる良性のこぶ。筋腫の芽の発育にエストロゲンがかかわっているとされます。
 子宮内膜にできる子宮体がんには2つの型があり、1つはエストロゲンが関与するタイプで子宮内膜増殖症を経て発生します。もう1つは高齢者に多い萎縮内膜の中に出現するタイプです。子宮体がんにかかりやすいのは閉経後で糖尿病、肥満、乳がん治療薬なども危険因子です。


 また、女性のがん死亡率トップの乳がんですが、出産経験がない女性の乳がん発症率は、出産経験がある女性の1.9倍に達します。40歳以上で出産をしていない人がかかりやすいといわれていますが、最近は若い人の発症も増えてきました。ピルの服用、肥満、遺伝も大きくかかわっていると考えられます。


 卵巣がんは自覚症状がなく、約半数が進行がんの状態で発見されます。家族内に卵巣がん歴がある人、また子宮内膜症のチョコレートのう腫にもがんを合併することがあるので注意が必要です。肥満が関係している可能性が高いといわれます。

 

Q.では、出産経験者がかかりやすい病気は?

A. 出産を経験している人に多いのが「子宮頸がん」や「尿失禁」「性器脱」です。


 子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるもの。初期に発見されると100%治癒できます。妊娠・出産回数が多い、定期的に性交がある、複数のパートナーがいるという方は検診をお勧めします。


 また、出産回数が多いということは、子宮周囲の伸展・収縮回数が多いということ。ゴムを何度も伸び縮みさせていると、だんだん伸びきってくるように、子宮を支えている靭帯(じんたい)や骨盤底筋が衰えてきます。これが尿失禁や性器脱の原因になります。

Q.日常で気を付けることは?

A. いずれの病気も早期発見で治癒できる可能性が高く、体へのダメージも最小限に抑えることができます。これから妊娠を望む女性には特に大事なことです。


 ところが年々、女性のがん検診受診率が下がっています。手遅れの状態にならないよう、理想は1年に一度、できるだけ2年に一度は、専門機関で検診を受けることをお勧めします。


 さらに、日常から自分の体と向き合うことが大切です。例えば、乳がんは自分で発見できる病気。お風呂上がりの時間などを利用して、乳房を触ってみてください。しこりはないか、左右の大きさや形に変化はないか…と自分でチェックする習慣をつけてみてください。ひどい月経痛などの症状にも病気が隠れている可能性があります。我慢しないで一度専門機関でチェックしてもらいましょう。

こんな症状見逃がさないで!

 ◆ひどい月経痛、性交痛がある→子宮内膜症

 ◆月経過多、下腹部のふくらみ→子宮筋腫

 ◆くしゃみや咳をすると尿がもれる→尿失禁

 ◆不正出血・おりものが増える→子宮体がん 子宮頸がん

 ◆ブラジャーを外すと黄色や褐色の シミが付いている→乳がん

 ◆外陰部に腫瘤(こぶ)を触れる、 排尿時に尿が中断する→性器脱

BMI計算式

体重(㎏)


身長(m)×身長(m)

 ●18.5未満

 ●18.5以上25未満

 ●25以上30未満

 ●30以上35未満

 ●35以上40未満

 ●40以上

低体重

普通体重

肥満度1

肥満度2

肥満度3

肥満度4


 また、肥満を測るBMI指数の値が22前後の人は病気になりにくいという国立健康・栄養研究所の報告もあります。若い世代は、やせたいという願望が強いのですが、冷え性や低血圧といった不定愁訴に注意が必要です。もちろん、肥満は万病の元。バランスの取れた食事や運動を心掛けましょう。


 

提供:広島リビング新聞社
(「リビングひろしま」2007年9月22日号掲載)