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夫の借金は
妻が支払わなくてはならないの?

相談者/55歳(女性)【Vol.43】


弁護士 山下江さん

 

Q 先日、夫の友人と称する人が家に来て借用書を見せ、「あなたの夫に15万円貸したのに返してもらっていない。あなたは妻だから支払う義務がある」と言われました。私には返す義務があるのでしょうか。
    

A 原則的には、あなたに返す義務はありません。法律は、夫婦の財産(債務も含む)はお互い別々という原則(「夫婦別産制」といいます)をとっているからです。夫の借金は夫だけの債務であり、妻の借金は妻だけの債務なのです。
 ただ、この原則を全てに貫くと不公平が生じることになりますので、法律で例外を定めています。その例外に当たるかどうかは、借金(債務)の内容によることになります。あなたの夫は、この15万円を何のために借りたのでしょうか。
   

Q 夫は競馬が好きで、どうもそのために友人から借りたようなのです。
  

A そうであれば、妻であるあなたには、この15万円については、返済義務はないとはっきり言えます。
 先ほど述べた「例外」というのは、日常的な家事に関する債務のことです。日常的な食費や家賃、光熱費、被服費などの借金は、夫婦が共同生活していくために必要な費用ですから、法律では夫婦が連帯責任を負うことになっています。これを「日常家事債務」といいます。
 なお、被服費といっても、高額な着物や装飾品などの購入のための借金は、日常的な家事の範囲には入りませんので、夫婦での連帯責任は生じません。
 ご相談の件では、競馬は、あなたの夫が趣味でなさっているものと思われますので、日常的な家事に関するものとは言えません。よって、この借金をあなたが負担する義務はないわけです。
   

Q ありがとうございました。夫の友人に対して、
きっぱりと支払いを拒否することを伝えたいと思います。
   



こじれてしまう前に、専門家に相談を

A

 話し合いで解決しない場合は、専門家に相談されてみてはいかがでしょうか。  
   
広島弁護士会所属。広島市中区 山下江(やましたこう)法律事務所

提供:広島リビング新聞社
(「リビングひろしま」2012年1月21日号掲載)

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