まなぼうネット

vol.7 春の山の恵み プリント メール
  自家製シリーズ7
春の山の恵み
 “春は苦味のあるものを食べて、冬にたまった老廃物を出すように”と昔から言われてきました。山や野の植物が目覚めて芽吹く季節、生命力がみなぎる野草パワーを体に取り入れませんか。

 20代後半から30代前半は、大阪から新幹線で愛知に通いながら通訳の仕事をこなしていたという青木由実子さん。東京に引っ越したものの化学物質過敏症を発症してしまい、故郷の岡山に戻ってきたのが約4年前のこと。「あのころは自分の命さえモノのように扱っていました」と当時を振り返ります。

 岡山ではそれまでのハードな生活とは打って変わって、長男・春文くんと一緒に山を歩きながら山菜を摘んだり、保存食を作ったり、竹かご作りを学んだりと、自然の恵みに感謝する毎日を送っています。子どものころ父親と山菜をとった経験や母親の保存食作りの姿を見て育ったことが原点になっているよう。「すっかり元気になりました」という由実子さんの病気を治したのは故郷の山なのかもしれません。
ワラビを摘みながら「あっ、これ、カヤネズミの巣だよ」と春文くんに見せる由実子さん。「これは冬イチゴ、これはアケビのツルだよ。秋が楽しみだね」と植物の名前をたくさん教えます。突然、「あっ野ウサギだ!」と春文くん。なんと取材中、野ウサギが横を走っていったのです。自宅から歩いてすぐの場所に山があるので、こんな体験が日常の出来事です

ワラビの塩漬け
1.ひと握りのワラビにひと握りの木灰をかける。木灰の代わりに重曹でも可(重曹の場合は小さじ1程度。多すぎると柔らかくなりすぎるので注意)
2.ワラビの表面がかぶるくらいに熱湯をかける
3.落としぶたをして1、2時間おく
※塩漬け保存をしないですぐに食べるときは、ここで一晩つけて翌日水にさらしてから調理して
4.水を切って、ひとつかみの塩をかけて一晩おく。翌日、出てきた余分な水分を捨てる
5.容器の底に塩をひく。ワラビの水気をよく切って、重ね塩をしながら表面が見えなくなるまで塩を入れる。初心者は多すぎるかなと思うくらいの量を入れるのがお薦め。冷暗所で保存。ときどき様子を見て水が出ていたら捨て、カビが生えそうなら塩を足す

 
1年くらい保存可能。食べるときは一晩水にさらしてしっかり塩抜きをしてから調理を。少し食べてみて、塩辛いときは何度も水をかえて。残った塩分を生かしながら調理を

【調理例】
卵とじ=ごま油でワラビを炒めてとき卵を入れる
ナムル=炒めたニンニクとごま油であえる
山菜ごはん=おこわや炊き込みごはんに後で混ぜる
山菜そば=せりやなめこなどと一緒に、だし・しょうゆ・みりんなどでひと煮たちさせて、めんに添える

※アク抜きしたワラビをカラカラになるまで干して保存する方法もあります


そのほかの山の恵みの下ごしらえ
フキ
板ずりをする(塩を振りかけてまな板の上で転がす)。お湯で約2、3分ゆでる。ゆで上がったら水にさらし、筋を取る。写真のように、根の方から5cmほど皮をむいて、全部をいっぺんに引っ張るとつるっとむける
タラノメ
天ぷらは水洗いしてハカマを取るだけでOK。ごまあえ、くるみあえ、おひたしの場合は軽くゆでてから使用
ウド
皮をむいて短冊切りにして酢水にさらす。水気を切って酢みそあえやキンピラに。梅肉とカツオ節を包丁でたたいてポン酢であえてもおいしい(写真)
タケノコ  
外側の皮を2、3枚はいで、てっぺんを少しだけ斜めに切り落とし、皮の部分に縦に1本切れ目を入れる。タケノコがかぶるくらいの水を入れ、ひと握りの米ぬかと唐辛子1本を入れて落しぶたをし、柔らかくなるまで1時間程度ゆでる。串を刺してゆで加減を確認。火を止めたら完全に冷めるまでゆで汁につけておく。
※ゆでたら皮をむき、タケノコがかぶるくらいの水に入れて冷蔵庫で保存。毎日水を替えること
※ゆでた後、薄切りにして干すと保存がききます。水で戻して、だし・しょうゆ・みりんで味付けするとメンマのような食感
※注意
◎山菜はアクが強いので食べ過ぎないこと
◎購入または採取したら、その日のうちに処理すること
◎山には毒草もあるので分からないものは採らないこと



提供:岡山リビング新聞社
(「リビングおかやま」2010年4月24日号掲載)